成人失禁用衛生用品にとって重要な8つの製品ニーズ
現在、世界で4億人以上の成人が何らかの失禁の経験があり、こうした多数の人々の異なるニーズや期待を満たす製品を製造することは非常に困難な課題です。そこで、成人の失禁をケアする製品について主に3つのユーザーグループ(活動的な成人、障害を持つ人、介護者)に分けて全体像を捉えることにより、ボスティックの衛生材用品の専門家が、製品ユーザーにとってさまざまな角度で重要な8つの基本ニーズを以下にまとめました。
1. 手頃な価格であること
生まれたばかりの赤ちゃんが成長してトイレに行けるようになるまでのオムツの数を推測することはできますが、成人失禁用衛生用品にかかる費用の計算はより複雑です。なぜなら、成人の失禁は継続することが多く、数か月、数年、さらには数十年と続く可能性があるからです。使用期間や製品が変更される頻度により、全てのユーザータイプに経済的な懸念が生まれます。とりわけ、年金など一定の収入で生活する個人や、家族のために製品を購入している介護者で公的な補助金を受け取っていない場合などは、深刻な問題となります。
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2. 体形に合ったフィット感
フィット感という観点から、サイズはユーザーが製品を選択する上で最も重要な要素となります。サイズのほかに、適切なフィット感を確保するには、製品に以下の条件が備わっている必要があります:
- 漏れを防ぐために、体形に合った形状のデザインである
- ウェストや脚の部分が調節可能で、締め付けがない
- 濡れてもたるみがなく、動いたときにねじれやヨレがない
成人の失禁におけるフィット感のニーズについての詳細をお読みください。
3. 漏れを防ぐこと
失禁症状を持つ多くの成人にとって、外出先でソーシャルライフを楽しんでいる時の予期せぬ漏れを防止することは最優先事項です。漏れ防止は、障害のあるユーザーやその介護者の両者にとっても大きな課題です。こうした状況で漏れがあると、製品を頻繁に交換しなければならず、汚れた服やベッドリネンも洗濯が必要となり、貴重な時間とお金を消費しかねません。尿を素早く吸収し、吸収体全体に分散し、逆戻りしないような吸収体を設計することが、漏れを防止するためには不可欠です。
4. 十分な吸収力
ユーザーの時と場合に応じた適切な製品を提供することは、製造会社と製品ユーザーの双方にとって更に成長すべきポイントです。実際、ユーザーのなかには状況に応じて昼と夜とで吸収力の異なるタイプの製品を使い分けている人もいます。例えば、活動的な方々は、昼間はより目立たない、交換頻度の高い製品を着用しますが、夜間は就寝中の漏れを防ぐために大きめで吸収力の高い製品に切り替える場合もあります。また、カテーテルやクランプなどのソリューションの併用を選択する場合もあります。
5. 濡れた感覚をなくす
前述のように、十分な吸収力と漏れ防止に関しては、製品の水分保持力が重要となります。また、尿が排泄された後でも、使用者に肌が濡れている不快な感覚がないように、水分の逆戻りを極力回避するよう設計されている必要があります。多くの活動的な製品ユーザーにとっての快適性の問題は、交換が必要な汚れた製品を自分で交換できなかったり、こうしたサインを示さない障害のあるユーザーにとっての健康上の問題となります。肌が濡れたままで放置されると、臭いの原因となり、いわゆる失禁関連皮膚炎(IAD)の原因となります。十分な吸収力と適切な尿分散を行い、逆戻りを防止できる製品を使用することにより、着用者の皮膚がドライに保たれ、濡れている感覚を回避することができます。
6. 皮膚の保護
成人の失禁においては、皮膚の健康は、皮膚をドライに保つことによって主に管理できます。「濡れた感覚をなくす」ためのニーズとほぼ同じく、障害のある製品ユーザーおよび介護者に特有の問題は皮膚の保護であり、一方で自立している成人は皮膚炎などが発生する前に汚れた製品を変えることができます。汚れた製品を適切な間隔でこまめに交換して逆戻りを回避することに加え、より柔らかい素材や、軟膏およびクリームを使用することは、摩擦による皮膚炎の発症を減らす上で役立ちます。また、吸収製品により皮膚の保護を向上させることもできます。
7. 防臭管理
自由と尊厳は、多くの製品ユーザーにとって最も優先される2つの関心事です。製品が発する音を抑えたり、外観をわかりにくくすることに加えて、使用前・使用中の防臭管理は、失禁に伴う羞恥心や困惑を回避したい活動的で社交的な成人にとって重要です。防臭管理は、病院や介護施設、養護施設といった環境で、介護者や患者、入居者、訪問者にとっても大変重要です。使用前の収納庫に保管された大量の未開封の製品から発せられる臭いや、使用中または使用後の汚れた製品の蓄積した臭いは、不快感を引き起こす要因になりかねません。
8. 使いやすさ
製品がいかに着用しやすいかは、自分で製品を交換するユーザーにとっても、特にに障害をもつユーザーの介護者にとっても不可欠なニーズです。介護者は、仕事を適切に行うために汚れた製品を素早く簡単に交換する必要がありますが、これは着用者の快適性と尊厳の維持にも寄与します。筋肉が衰え始め、関節炎などが発症し始めた高齢の自立したユーザーのために、製造会社は製品の使いやすさを考慮する必要があります。
製品の製造会社は、以上のような基本的なニーズを考慮することにより、ユーザーの要求をより良く理解することができます。また、これらの理解は、製造会社が、消費者の要求を満たし、さらに期待を超えるデザイン、サイズ、吸収性を実現するための今後の取り組みに役立ちます。