スマート接着剤ソリューションで柔らかさを実現
以前から、「シルクのような柔らかさ」や「紙やすりのような粗さ」と言った表現が材料や物の感触を表すのに使われてきていました。
しかし、これはそれほど単純ではなく、ある人にとって柔らかさとして認識されるものは他の人にとって異なる場合もあるのです。
柔らかさは非常に主観的です。
個人の好み、認識、そして文化的な考えや信条によって、心地よさがどういったものなのかは変わってきます。
例えば、アジアの人々はシルクのような手触りを柔らかいと感じる傾向があります。一方、アメリカ人は柔らかさについて、コットンのような手触りを連想する傾向があります。柔らかさが益々重要となっている使い捨て衛生用品の世界では、これらは非常に重要な考察です。
柔らかさに影響を与えるものとは?
使う前の製品の素材、柄、厚みなどの外観は、一般的に使用している間に製品をどう感じるかに関係する第一印象を作り出します。製品がどのような音を立てるかということでさえ、消費者の柔らかさや快適さの捉え方に影響を与えることもあるのです。 これにより、メーカーが柔らかさを作り出す原料や製造工程、そして柔らかさの測定方法に大きな焦点が当てられることになります。
素材
不織布繊維を生成する際に使用される原料は、合成もしくは天然高分子から作られた繊維です。これらは柔らかさの相対的な感触に大きく寄与します。触ると、径の小さな繊維は、より柔らかく感じられます。場合によっては、コアあるいはシース構造を持つバイコンポーネント繊維も柔らかさを増すのに役立つことがあります。
繊維の形状(例えば、丸、三角、不規則など)は視覚的な効果をもたらし、また柔らかさの感覚に影響を与えます。繊維の表面処理あるいは、不織布にローションやアロエなどの局所的処理を採用することでも柔らかさは増します。一方でこれらの処理は接着性能を損なう場合もあり、正しい接着剤を選ぶことが重要となることに留意してください。
加工プロセス
不織布繊維を生成する際の繊維の加工プロセスによって、使い捨て衛生用品の感触がプラスチックでなく綿のようになります。この加工プロセスには、次の2つの工程が含まれます。まずマットに繊維を積層し、それから接合するのです。繊維の積層処理は、スパンレイド法、乾式法、湿式法の3つの方法で行うことができます。
繊維をマットに積層したら、化学的、熱的、もしくは機械的な作用による繊維同士の結合を行います。使い捨て衛生用品においては、主な加工処理は、スパンレイドと熱的接着法の組み合わせとなっており、これで相対的に柔らかく、費用効率の高い製品となります。
フィルムおよび接着方法
吸収性物品のクロスライクバックシートを作るには、上記のような柔らかい不織布と非通気フィルムを組み合わせる必要があります。使い捨て衛生用品に今日一般的に使用されるフィルムには、2種類あります。米国で生産されるおむつに一般的な、インフレーションフィルムとヨーロッパで幅広くおむつに使われているキャストフィルムです。
上記で述べた通り、フィルムと不織布を組み合わせる必要があります。バックシートシートフィルムを作成する際には、押し出しコーティングや熱的接着法の使用に加えて、一般的には接着剤の塗工によって接着されています。
更に、フィルムの通気性も製品を身に付ける方にとって快適さを左右する重要な要素であり、柔らかさの全体的な感覚にも寄与します。
接着剤による柔らかさ改善
使い捨て衛生用品における柔らかさの向上に対する要求が世界規模となり、Bostikはメーカーおよびユーザーのニーズを満たすスマート接着ソリューションを提供することとなりました。目下、接着剤は、以下のように柔らかさをサポートする上で2つの重要な役割を担います。
- 柔軟性素材を使用する際の重要な構成要素間に確実な接着を保証する。
- 場合によっては、アプリケーションのパターンや塗工量から柔らかさを向上させる。
例えば、おむつのトップシートは、人の肌に触れる最初の層です。皮膚の健康のためにローションやアロエなどの添加物を使用することもでき、これが消費者の柔らかさへの感覚に影響を与えます。使用される接着剤は、コアのその他の構成要素とトップシートとの接着を保証し、吸収性、快適さを左右するコアのずれを防止します。
革新とコラボレーションを通じBostikは、メーカーが本来の不織布が持つ柔らかさを維持する、あるいは接着処理によりこれを改善する方法を評価するための、効率的でかつ効果的な評価方法を提供し、サポートします。次世代の塗工機にフルサービスの検査能力があれば、停止時間やメーカーの製造ラインを検査させる手間を省けます。弊社の専門家および技術トラブルシューティングを活用することでも材料評価プロセスをスピードアップさせることができます。